憂鬱な気分を吹き飛ばして、心を楽にするテクニック (観察・発見・受容)
最近、僕は「受容」のテクニックにはまっている。
こいつはすごく強力で、不安を解消し、心の安定度を高める効果がある。
マインドフルネスの優れたテクニックだ。
これをうまく使えば、
「呼吸を整える」
「呼吸を意識する」
というテクニックよりも、はるかに高い効果がある。
「自分を受け入れる」って何?
これは一般的な言い方をすれば「自分を受け入れよう」ということだ。
でも「自分を受け入れる」って、そもそも、どういうことなんだろう。
表現が曖昧で、ぜんぜん分からないと僕は思う。
うまく出来る人は出来るし、出来ない人は出来ないだろうって思う。
だけどマインドフルネスでは、具体的な練習をおこなうというところが良いことだ。
自分が実践している「受容」のテクニックは、心理学的に正しいアプローチなのかどうかは分からない。
だけど実感として「心が楽になる」現象が起きているのが事実だ。
1.観察と発見
具体的な方法。
「なんだか嫌な感じ」
「なんだか落ち着かない感じ」
がする時に、そっと目を閉じてみる。
たとえば、探偵になったような気分で
「一体、どこで、嫌な感じがしているんだろう」
ということを、体の中で、ゆっくりと探してみる。
そうして、しばらく「嫌な感じ」の場所を探していると、あるとき「あ、これだ」と見つかる瞬間ある。
その場所は、時には胸のあたりだったり、頭のあたりだったり「どこかの空間」に「何かの形」を持って、存在している。
これが第一段階の「観察」と「発見」のプロセスだ。
不思議なのは、こうやって「嫌な感じがしている場所」を突き止めるだけで、そのレベルが、グンとましになるということだ。
なので「発見」をしただけで、もう充分だということも多い。
なぜそんなことが起こるんだろう。
人間の意識には複雑なプロセスが働いている。これは脳科学の世界では常識だ。
理由は分からないけれど、どうやら心の世界には「発見して、理解するだけで、嫌な感じが弱まる」という現象があるようだ。
2. 受容
次に第二段階。
「観察」と「発見」をして、まだ嫌な感じが残っているなら、次に「受容」のプロセスに移る。
この段階では、あなたはもう「嫌な感じ」の場所や、その形を突き止めている。
「嫌な感じ」が「自分自身」ではないことを理解して、「感覚の外部化」が出来ている状態だ。
受容のテクニックを試すのは、具体的にはどうすれば良いのだろう。
あなたは既に「自分の反応」を発見している。
だから「嫌な感じ」に対して、逃げようとしたり、避けようとしたりしている自分に気付くと思う。
なのであとは、その反応を変えてみようと試みる。
たとえば「嫌な感じ」が「怒っている猫」だとしよう。
あなたは無意識に「恐いから、逃げよう」としているかもしれない。
だけど逆に「なでてあげる」「優しくする」というアプローチを取ってみる。
こうやってアプローチを変えて、
そして「感覚」と「自分の反応」の関係性を理解していく。
エッセンスは「自分が無意識に行っているアプローチに気付く」「アプローチを変える」ということだ。
受容が成功すると、必ず心は楽になる。
だから、成功や失敗の結果は、自動的に分かる。
逆に、心が楽にならなかったとしたら、受容は失敗だが、逆に経験値は溜まる。
受容が失敗しても、それは「経験を積む」という意味では大きな成功だ。
最初からうまくいくわけはないのだから、何度でもやってみれば良い。
何度やってもうまくいかなければ、もっと別のイメージを描いてみたり、アプローチを変えてみれば良い。
繰り返すほどうまくなる
コツは「嫌な感じがしている、対象そのもの」じゃなくて
「嫌な感じに、反応している自分」を観察して、その「反応」を受容してみること。
たとえば「明日の仕事」を思い浮かべると、嫌な感じがするという場合。
受容するのは「明日の仕事」そのものではなくて、
「明日の仕事が、嫌だなと思う、自分の反応」だ。
このテクニックのメリットは、繰り返せば繰り返すほど「嫌な感じ」のレベルが下がっていくということだ。
たとえば僕は以前、休日に「明日の仕事」のことを考えるだけで、嫌な汗をかいて、強いストレスを感じていた。
だけど受容のテクニックを繰り返すだけで、だんだんと「嫌な感じ」のレベルが下がり、半年ほどかけて、ついにはほとんど消えてしまった。
10000が1に減った感じだ。
ちなみにいったん「受容」しても、それでゲームクリアというわけじゃない。
なんど「受容」してもまた、同じ「嫌な感じ」が現れるかもいしれない。
だけどそのたびに、受容のテクニックを繰り返す。
するとだんだんと、波を描くように「嫌な感じ」のレベルは下がっていく。
注意点
このテクニックには注意点もある。
それはなるべく、リラックスできる環境でおこなった方が良いということ。
自分の対処能力を越えるような環境だと、高度なテクニックは難しい。
たとえば気温30度の真夏日に、直射日光を浴びながらというのは難しいだろう。
もうひとつは、受容しようとすることで、逆に力が入ってしまうのに気をつけること。
もし何度「受容のテクニック」を試しても、逆に嫌な感じが強まるなら、他のマインドフルネスのテクニックから試した方が良いだろう。
たとえば呼吸を整えるとか、呼吸に意識を集中するとか。
まとめ
このテクニックを覚える最大の利点は、自分の対処能力を信頼できるようになるということだ。
もう、嫌なことから逃げなくても良い。回避しなくて良い。
「嫌なことを受け入れられる能力」がそなわれば、本当に最強だと思う。
たとえば、いくら借金を背負ったとしても、収入のアテがあればどうにかなる。
たとえば、落とし穴に落ちても、這いのぼれる筋力があればどうにかなる。
たとえるなら、そんな感じだ。
そして、この受容のテクニックは「嫌な感じがするもの」であれば、ほとんど扱うことが出来るのも利点だ。
「この問題には対処できて、この問題には対処できない」という区別が、あまりない。
それも、このテクニックが強力な理由のひとつだ。
この人生において、今までひとつずつ背負ってきた荷物を、ひとつずつ降ろしていくこと。
間違って歩いてきた道を、少しずつ戻っていくこと。
そして、降ろした荷物の重さに気付くこと。
こうやって、歩くことは少しずつ楽になっていくように思う。
イラスト
じゃれあっている猫の親子のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや