瞑想の種類を理解して使い分けてみよう
瞑想についての本を読んでいると、相反するように見える方法が書かれていて「いったいどれが正解なんだ」と思ってしまわないだろうか。 実は瞑想は一種類じゃない。大きく分けて二つの種類がある。
この違いを把握しておくことで、混乱せずに瞑想に望むことが出来るだろう。 「二種類もあるのか、大変だな」と思うかもしれないが、この二つが統合すると、瞑想はより大きな力を発揮する。
集中瞑想
ひとつの物事に集中する。対象は何でも良いが、主に自分の呼吸であることが多い。 思考が他の物事にそれたら、また注意を対象に引き戻す。
観察瞑想
観察瞑想の場合は、集中瞑想と違い、思考や情動が起こっても、それを止めたりしなくても良い。 自分自身に起こる出来事をよく観察して、思考や情動が、自分にどのように作用しているかを理解する。
集中+観察瞑想
実は前者の二つは、必ずしも相反しない。 自分の呼吸に集中しながら、なおかつ、自分自身を観察することが出来る。
呼吸への集中を基本としながら、そのベースの上で観察をおこなう感じだ。
ここで単純な集中瞑想と大きく違うのは、自分の思考は自然に起こるままにするが、決してその思考に「引き込まれない」ということだ。 自分の思考を一歩引いた場所から見ることで、思考に引き込まれずに観察し、なおかつ呼吸への集中状態を保つことが出来る。
集中と観察が絶妙に統合された状態だ。
「マインドフルネス ストレス低減法」という本に詳しいので読んでみてほしい。
思考瞑想
これは僕が勝手にそう呼んでいるだけなのだが、実は考えることも瞑想になる。 「思考を止める」「無になる」という一般イメージからはかけ離れているが、これが実にうまく働く。
どちらかというと認知行動療法的な作業だ。 自分の体、自分の心に問いかけて、具体的な問題発見とその解決を試みる。
これが瞑想中意外に「考える」ことと大きく違うのは、自分の思考に流されるのではなく、あくまでも意識的に、特定の事柄を考えるということだ。 瞑想中は集中力が高まっているから、ひとつのことについて考えようと決めたら、思考のノイズに流されずに、良い答えを見つけることが出来るだろう。
たとえば、自分の中の「批判者」と話し合う方法が「マインドフルネス。フォーカシング」に詳しく書かれているので、読んでみてほしい。
祈りの瞑想
自分の幸福や、他の人の幸福を祈る。 自分の特定の領域、善良さなどが10倍になるようなイメージを作る。
「今日の仕事が穏やかに進みますように」と祈ったり、「自分は自分を肯定する」と繰り返したりする。 「失敗は成功の母」など、身につけたい価値観を繰り返し心に刻み込んだりする。
このように、特定のエネルギーを増大したり、逆にネガティブなエネルギーを減らしたり、または性質を変えよう試みるのが祈りの瞑想だ。
「サーチインサイドユアセルフ」に詳しいので読んでみてほしい。