天国にインスタ映えする写真を送る
すごく綺麗な景色を見た時、僕らはスマホで写真を撮る。
何か変わったものを見つけた時、スマホで写真を撮る。
そしてソーシャルでシェアする。
まるでソーシャルに存在しないものは、世界に存在しないかのように。
だけどそれで、体験の扉が閉じられてしまってはもったいない。
薄められたスープを飲むのは美味しくない。
それよりも美しいのは、自分の感覚を通して、決して消えない世界に体験を送ることだ。
それを「天国」と呼んでも良いだろう。
(とても美しい経験は、天国の近くにあるように感じられるから)
ソーシャルよりも、自分の感覚を信用することは、美しい。
目の前で起きている現象を通して、世界にアクセスすることは美しい。
それはスマホを通して世界を見るよりもずっと大きな体験だ。
決して「スマホで写真を撮るな」とは思わない。
僕もスマホで写真を撮るのは好きだ。
だけど、それよりも大事なのは、体験の扉だということは覚えておきたい。
スマホが主役の場に踊り出てきてしまうのは、何か違う。
主役はあくまでも自分たちの、一瞬一瞬の感覚だ。
それに、いくらスマホで写真を撮っても、いつかは僕らの肉体も、スマホもインスタも消えてしまうのだ。
だけど僕らが「体験」に集中する時、それは永遠の世界に対して写真をアップロードしているのと同じだ。
もちろんこれは例え話だけど、僕はなんだかそんな感覚がした。