意志力を消耗しないための戦略 〜心の迷いを見つける〜
前の記事で、意志力の消耗について書いた。 ( 意志力の消耗を防ぐ 〜ジョブズが黒いタートルネックしか着なかった理由〜 )
ここでは自分のケースを例に、具体的な戦略についてお伝えしようと思う。
戦略
事実は仮定に勝る。
重要なのは戦略よりも、まずは観察だ。 たとえば全く同じ戦略をとっても、人によっては効果が現れたり、現れなかったり、逆効果になるということがあるだろう。
それは人の心の動き方が様々で、見かけは同じように見えても、中身では全く別のプロセスが働く場合があるからだ。
なので「戦略Aを取れば、迷いを減らすことが出来る」と思い込むのではなく、 「戦略Aを取った結果、自分の心の迷いが増したか、減じたか」を実際に観察してみよう。
たとえば休日の過ごし方の話
いきなりだが、1日の過ごし方の話をする。 (僕にとっても、人類にとっても重要なテーマのはずだ)
たとえば僕の場合は、平日よりも休日の方が、過ごし方が難しいと感じていた。
仕事の日は、過ごし方が決まっている。仕事をするだけでいい。(なんて簡単なんだろう) だが休日の行動は、自分で決めなければいけない。
そのせいか、休日の夕方には何故か、エネルギーが枯渇し、憂鬱な気分になっていることが多いと感じていた。 心のバランスも、朝や昼ほどはうまく取れなくなってくる。
だがまさに今日、これはもしかして「決定疲れのせいではないか」と思い浮かんだ。
迷いに気付く
そのように理解してみると、自分が休日の間中、ずっと
- 「今日は何をしようか」
- 「次には何をしようか」
- 「何が一番良い過ごし方なんだろう」
と頭で考え続けていることに気付いたのだ。
僕は1日の間、おそらく100回も200回も、迷いと決定のループを繰り返していた。 (もしかしたら1000回や2000回だったかもしれない)
これでは決定疲れを起こしても仕方がない。
最初の戦略 - 計画を立てる
そこで僕がとった戦略は、休日の計画を立ててみて、もう決定しなくて済むようにするということだった。
- 朝 8時からはブログを書いたり、瞑想をしたりする
- 昼 12時ぐらいには街へ出て、買い物をする
- 夕方 16時からは友人と会う
これで「今日は何をしようか」という決定疲れからは、解放されるはずだ。 だけど、これで本当に問題は解決するのだろうか?
ご名答。ここにも落とし穴はあった。
計画を立てても決定疲れが起こる理由
たとえいったん計画を立てても、自分がその計画自体に懐疑的であれば、やはり心は迷いを繰り返すことになる。
- この計画で本当に良いのだろうか?
- もっと良い計画があるのではないだろうか?
- 計画を変更すべきではないだろうか?
- この計画通りに行動できるのだろうか?
ということを、100回も200回も繰り返し考えていれば、やはり心は、迷いと決定(あるいは非決定)を続けることになる。 (もしかしたら1000回や2000回かもしれない)
「重要なのは戦略そのものではない」というのは、こういう話だ。 ひとつの戦略をとっても、実質的に心が迷っているようならば、必然的に効果はない。
あくまでも戦略は、心の働きをうまく変えるためのフックに過ぎない。 ひとつの戦略がうまく機能しないのであれば、戦略を変えるか、もしくは心のプロセスそのものを変える必要がある。
次の戦略
僕が次にとった対応は 「計画を立てて、なおかつ、計画について迷わない」ということだった。
- 重要なのは、計画を立てること自体ではない
- その計画通りに行動することでもない
- 迷わないように計画を立てたのだから、計画に関して迷うのは本末転倒だ
ということを理解して、なおかつ、心が迷い始めるたびに
- 今日は計画があるから、行動を迷わなくていい
- 計画自体に関しても、迷わなくていい
ということを思い出して、今の瞬間に集中するようにした。
すると、今までのどんな休日よりも「意志力のリソースが残っていること」を感じることが出来た気がする。 夕方を過ぎてもう夜。だがまるで朝昼のようなエネルギーの蓄えを感じた。
これが真実なのか。科学的に正解なのかは、1個人には知る由もない。 だが少なくとも、今日は「心が迷う回数」が、どんなよりも少なかったと実感している。
まとめ
- 効果的な戦略で、決定疲れを防ごう
- 「迷わないこと」が最大の目的だと理解しよう
- 戦略を取っている間の、実際の心のプロセスを観察しよう
参考
意志力の消耗に関しては、軽くだが次の本で紹介されているので、読んでみて欲しい。