人間らしい1日を過ごすために
目覚めた時。
1日の始まりに、エネルギーが溢れている。
たとえば体のどこかに火があるとしたら、それが優しく燃えている状態。
心の中に星があるとしたら、それが輝いている状態だ。
30分間の瞑想をしても、まったく苦にならない。
1時間、2時間と続けられそうな気がする。
たくさんの文章を書きたくなるし、たくさんの本を読みたくなる。
冷たい空気の中を歩くのも心地良く、朝のカフェで飲むコーヒーは美味しい。
「毎日、こんな気分で目覚められたら良いのに」と思う。
人間が生きるということは、こういうことだ。
そして普段、生きることの美しさを、完全に忘れてしまっているのが、僕ら人間だ。
こんな素晴らしい朝は、今までの人生で、ほんのたまに、偶然に訪れてはすぐに消えていった。
だけどそれは単なる偶然じゃない。きっと、多くの前提条件が揃った。そのタイミングが、偶然に訪れたというだけの話だ。
つまり、多くの前提条件さえ揃えることができれば、偶然に頼らずに、当たり前のように、人間らしい1日を過ごすことが出来るはず。
たとえば、良質な睡眠を取ること。
そのために、戦略を練って睡眠計画を立てること。
日頃から睡眠負債を減らしておくこと。
休日でも平日と同じ時間に起きること。
瞑想の時間を長めに取ること。
なるべく多い回数、瞑想の時間を作ること。
ミニマリズムを実践して、多くの物事がシンプルな状態にあること。
思い煩わされることが少ないこと。
適切な習慣作りをして、雑然とした選択肢を減らしていること。
難易度が適切な運動をすること。階段を登ったり、歩く習慣を身につけること。
自然の近くを歩くこと。美しい景色に見とれること。
読書をして間違った世界観から抜け出していること。
読書をして適切な人間像を描くこと。幸福そのものに対する理解があること。
行きつけのカフェがあること。カフェで注文する時、店員さんの笑顔に癒やされること。
カフェでの注文が決まっていること。自分が今「何を飲みたいか」ということを、知っていること。
ここで書いたのはほんの一例で、本当はもっと多くの土台作りがあり、土台作りのための土台作りがある。
1つの物事が機能するためには、他多くの物事が機能している必要がある。
たとえば「良質な睡眠をとる」ということだけでも、他の多くの「機能」によって成り立っている。
だけど逆に、1つの物事が機能するということは、他の物事も機能し始めるということでもある。
ものすごく多くの物事が組み合わさって、特定の1日が訪れる。
人生の中で、すごく貴重なはずの1日。
そしてその始まりと、途中と、終わり。
昨日よりも少しでも美しい、意義のある1日を過ごせるならば。
人生の美しさに感謝を抱けるならば。
僕はどんなことをしても良いし、どんな勉強だってしたいと思う。
自然を眺めると癒やされる理由
気のせいじゃなく、本当に自然は人間の脳に優しいパターンを描いているらしい。
僕も街を歩いている時、自然の多い散歩道に差し掛かった途端、本当に頭が癒やされるのを感じる。
自然が少ない場所でも、道の脇に生えている樹木を見つめるだけでも、癒やしが起こる気がする。
まったく自然がない場所でも、遠くのビルを見つめたり、空を眺めたりすると、心が癒やされる。
視覚情報は僕らの想像以上に、脳に影響を与えているみたいだ。
道を歩く時や、休憩する時は、意識的に「脳が癒される景色」を探してみよう。
「この方向を見ると癒やされる」とか「この景色の前では落ち着かない」という違いを感じてみよう。
クールダウンの時間予測
たとえば、心を落ち着かせるために瞑想をする時。
何分ぐらいで心が落ち着くだろう? と予測を立ててみる。
もしくは、何回の呼吸で心が落ち着くだろう? と予測を立てる。
そして、その回数まで呼吸をカウントしてみる。
「読書でエネルギーを消費したと思うから、30回呼吸を数えてみよう」
「今はかなり脳のタービンが回っているから、落ち着くまで呼吸60回は必要だろうな」
なんていう風に、目を閉じて瞑想をしてみる。
僕の実感では、呼吸を30回もカウントすると、まるで気分が変わってしまう。
こうやって予測してみるメリットは、二個ある。
ひとつは、予測を立てることで、最初から余裕を待てること。
もうひとつは、自分の変化を観察しやすくなることだ。
脳の追求スイッチが入っている時、その感覚は支配的だ。
それが、あくまで一時的な状態だと認識しづらい。
袋小路から抜け出すには、理性で考えて対策を取る必要がある。
なぜなら、既に感覚は支配されている状態だからだ。
だから理性で予測を立てて、感覚が変わるかどうかを実験してみる。
予測を立てるということは、理性と感覚が手をつないで、協力し合うための方法だ。
人生で大事なことはロックマンから学びなさい
このゲームでは、6体のボスがいる。
1体のボスを倒すと、特別な武器が手に入って、他のボスを倒しやすくなる。
たとえば、
- 「アイスマン」を倒すと「アイススラッシャー」という武器が手に入って「ファイヤーマン」を倒すのが簡単になる。
- 「ファイヤーマン」を倒すと「ファイヤー」が手に入って「ボンバーマン」を倒しやすくなる。
- 「ボンバーマン」を倒すと「ハイパーボム」が手に入って「ガッツマン」を倒しやすくなる。
ちなみにボスに挑むのは、どんな順番でも良い。
なのでまずは自分が得意なボスを倒しておいてから、他のボスに挑めば良いのだ。
最初は弱い武器しか持っていないけれど、ゲームが進むに連れて、どんなボスとも戦いやすくなる。
自分が一番苦手なボスに挑むのは、武器がほとんど揃った最後で良い。
ロックマンのごとく
なぜこんな話をしたかというと、自分の人生を改善するのは、ロックマンに似ていると思ったからだ。
自己改善にも様々な要素があり、お互いに助け合う関係にある。
たとえば自分が得意なのが「読書」だったとする。
本をよく読んでいると、たくさん役に立つ情報が入ってくる。
その中で「瞑想が良い」ということを知って、瞑想を始めてみる。
瞑想のトレーニングを続けていると、自分の体の状態をコントロールしやすくなり、運動がやりやすくなる。
日頃の運動を始めると、体に良いものを食べたくなって、食事が改善される。
食事と運動が改善されると、夜は眠くなって、睡眠も改善しやすくなる。
睡眠が改善されると、朝はエネルギーに満ちた状態で、本を読んでも頭に入ってきやすい。
さらに、こうやって他の要素が「お膳立て」されていると、他、なにか新しいことを始めようと思った時にも、習慣化がやりやすくなる。
ここで紹介したのは多くの物事のほんの一部だけで、実際にはよりたくさんの要素が「補い合う」関係を持っている。
この場合でいうと「読書」がキーストーンハビット(習慣の鍵)だったことがあ分かる。
最初は小さな武器だけを持った状態から、多くの武器を使える状態へと、ぐるぐると影響の輪を広げていくことが出来たわけだ。
どれが良いの? 思考
僕はトレーニングを始めた最初の頃、
「瞑想は万能じゃないの?」「瞑想と運動、どちらが良いの?」というような、直線的な考え方をしていた。
だけど今では、多くの要素が助け合うばかりではなく、お互いを循環的に良くしていくということが分かっている。
この世界では、実は、直線的なものはすごく少ない。
物事の本質は循環的だ。つまり、円を描く。
息を吐いて吸うように、循環している。
睡眠は技術
僕らの睡眠に対する考え方は、全方位的に間違っているみたいだ。
なので「全とっかえ」する必要がある。
- (睡眠に対して無自覚な状態) => 睡眠は技術だ
- 睡眠は量だ => 睡眠は質だ
- 睡眠は義務だ => 睡眠は娯楽だ
- 睡眠は消費だ => 睡眠は投資だ
- 睡眠は怠惰の象徴だ => 睡眠には創造性が宿る
睡眠だけではなく、休息全般にも当てはまる。
村上春樹とマイドフルネス
人間の感情や意識というものは、本当に奥深くて、微妙なニュアンスの中に実体が存在すると思う。
無限とも言える色や形、温度や状態の組み合わせを持っている。
僕が説得力があると思うテキストは、村上春樹の小説だ。
村上春樹を読むと、人間の感情や、存在のニュアンスというものを、美食家のように味わっている気分になる。
仮に、マインドフルネスで鍛えられる「審美眼」のようなものがあるとしたら、それが研ぎ澄まされた状態を、シミュレーションすることが出来る気がする。
そして何より、自分が感じている「感情のクオリア」というものが、幻ではなく、本当に実在するのだと思わせてくれる。
だから、たまには小説を読むと良い。
小説を含む芸術は、実用書ではほとんど働かない、脳の特別な部位を働かせてくれる。
瞑想は投資タイム
瞑想をした日は、なんだか不思議と、調子が良い。
これはいくつかの本にも書かれていたことで、僕自身も実感しているので、たぶん普遍的な現象なんだろう。
どうやら瞑想の効果は
「意識している部分」
「意識していない部分」
の両方に及ぶみたいだ。
瞑想は投資
僕も瞑想をしていて、ほんのちょっとした退屈さを感じる時もある。
というよりも、最高の心地良さや、変化を感じ取れない場合もある。
そんな時は、これが投資の時間だと理解したい。
すると、目の前で特別なことが起きていなくても、瞑想が楽しいのだ。
投資のメリット
投資の特徴は「今すぐに回収しなくても良い」ということだ。
すぐに利益が上がらなくても良くて、将来的に大きく回収すれば良い。
これが消費なら面白くない。
単にお金を使っているだけだから。
だけど瞑想は投資だ。
今、目の前でお金が増えていなくても、将来の複利を考えるとニヤニヤしてしまう。
なおかつ瞑想の場合、目の前で利益が上がることもはるかに多いから、本当にすごい話。
元手は少なく始められ、税金はかからず、多くの場合はすぐに報酬があり、その報酬も複利計算され、株主配当まで付いている。
しかも、投資に慣れれば慣れるほど、レバレッジが効いてリターンが増大していく。