自然を眺めると癒やされる理由
気のせいじゃなく、本当に自然は人間の脳に優しいパターンを描いているらしい。
僕も街を歩いている時、自然の多い散歩道に差し掛かった途端、本当に頭が癒やされるのを感じる。
自然が少ない場所でも、道の脇に生えている樹木を見つめるだけでも、癒やしが起こる気がする。
まったく自然がない場所でも、遠くのビルを見つめたり、空を眺めたりすると、心が癒やされる。
視覚情報は僕らの想像以上に、脳に影響を与えているみたいだ。
道を歩く時や、休憩する時は、意識的に「脳が癒される景色」を探してみよう。
「この方向を見ると癒やされる」とか「この景色の前では落ち着かない」という違いを感じてみよう。
クールダウンの時間予測
たとえば、心を落ち着かせるために瞑想をする時。
何分ぐらいで心が落ち着くだろう? と予測を立ててみる。
もしくは、何回の呼吸で心が落ち着くだろう? と予測を立てる。
そして、その回数まで呼吸をカウントしてみる。
「読書でエネルギーを消費したと思うから、30回呼吸を数えてみよう」
「今はかなり脳のタービンが回っているから、落ち着くまで呼吸60回は必要だろうな」
なんていう風に、目を閉じて瞑想をしてみる。
僕の実感では、呼吸を30回もカウントすると、まるで気分が変わってしまう。
こうやって予測してみるメリットは、二個ある。
ひとつは、予測を立てることで、最初から余裕を待てること。
もうひとつは、自分の変化を観察しやすくなることだ。
脳の追求スイッチが入っている時、その感覚は支配的だ。
それが、あくまで一時的な状態だと認識しづらい。
袋小路から抜け出すには、理性で考えて対策を取る必要がある。
なぜなら、既に感覚は支配されている状態だからだ。
だから理性で予測を立てて、感覚が変わるかどうかを実験してみる。
予測を立てるということは、理性と感覚が手をつないで、協力し合うための方法だ。
人生で大事なことはロックマンから学びなさい
このゲームでは、6体のボスがいる。
1体のボスを倒すと、特別な武器が手に入って、他のボスを倒しやすくなる。
たとえば、
- 「アイスマン」を倒すと「アイススラッシャー」という武器が手に入って「ファイヤーマン」を倒すのが簡単になる。
- 「ファイヤーマン」を倒すと「ファイヤー」が手に入って「ボンバーマン」を倒しやすくなる。
- 「ボンバーマン」を倒すと「ハイパーボム」が手に入って「ガッツマン」を倒しやすくなる。
ちなみにボスに挑むのは、どんな順番でも良い。
なのでまずは自分が得意なボスを倒しておいてから、他のボスに挑めば良いのだ。
最初は弱い武器しか持っていないけれど、ゲームが進むに連れて、どんなボスとも戦いやすくなる。
自分が一番苦手なボスに挑むのは、武器がほとんど揃った最後で良い。
ロックマンのごとく
なぜこんな話をしたかというと、自分の人生を改善するのは、ロックマンに似ていると思ったからだ。
自己改善にも様々な要素があり、お互いに助け合う関係にある。
たとえば自分が得意なのが「読書」だったとする。
本をよく読んでいると、たくさん役に立つ情報が入ってくる。
その中で「瞑想が良い」ということを知って、瞑想を始めてみる。
瞑想のトレーニングを続けていると、自分の体の状態をコントロールしやすくなり、運動がやりやすくなる。
日頃の運動を始めると、体に良いものを食べたくなって、食事が改善される。
食事と運動が改善されると、夜は眠くなって、睡眠も改善しやすくなる。
睡眠が改善されると、朝はエネルギーに満ちた状態で、本を読んでも頭に入ってきやすい。
さらに、こうやって他の要素が「お膳立て」されていると、他、なにか新しいことを始めようと思った時にも、習慣化がやりやすくなる。
ここで紹介したのは多くの物事のほんの一部だけで、実際にはよりたくさんの要素が「補い合う」関係を持っている。
この場合でいうと「読書」がキーストーンハビット(習慣の鍵)だったことがあ分かる。
最初は小さな武器だけを持った状態から、多くの武器を使える状態へと、ぐるぐると影響の輪を広げていくことが出来たわけだ。
どれが良いの? 思考
僕はトレーニングを始めた最初の頃、
「瞑想は万能じゃないの?」「瞑想と運動、どちらが良いの?」というような、直線的な考え方をしていた。
だけど今では、多くの要素が助け合うばかりではなく、お互いを循環的に良くしていくということが分かっている。
この世界では、実は、直線的なものはすごく少ない。
物事の本質は循環的だ。つまり、円を描く。
息を吐いて吸うように、循環している。
睡眠は技術
僕らの睡眠に対する考え方は、全方位的に間違っているみたいだ。
なので「全とっかえ」する必要がある。
- (睡眠に対して無自覚な状態) => 睡眠は技術だ
- 睡眠は量だ => 睡眠は質だ
- 睡眠は義務だ => 睡眠は娯楽だ
- 睡眠は消費だ => 睡眠は投資だ
- 睡眠は怠惰の象徴だ => 睡眠には創造性が宿る
睡眠だけではなく、休息全般にも当てはまる。
村上春樹とマイドフルネス
人間の感情や意識というものは、本当に奥深くて、微妙なニュアンスの中に実体が存在すると思う。
無限とも言える色や形、温度や状態の組み合わせを持っている。
僕が説得力があると思うテキストは、村上春樹の小説だ。
村上春樹を読むと、人間の感情や、存在のニュアンスというものを、美食家のように味わっている気分になる。
仮に、マインドフルネスで鍛えられる「審美眼」のようなものがあるとしたら、それが研ぎ澄まされた状態を、シミュレーションすることが出来る気がする。
そして何より、自分が感じている「感情のクオリア」というものが、幻ではなく、本当に実在するのだと思わせてくれる。
だから、たまには小説を読むと良い。
小説を含む芸術は、実用書ではほとんど働かない、脳の特別な部位を働かせてくれる。
瞑想は投資タイム
瞑想をした日は、なんだか不思議と、調子が良い。
これはいくつかの本にも書かれていたことで、僕自身も実感しているので、たぶん普遍的な現象なんだろう。
どうやら瞑想の効果は
「意識している部分」
「意識していない部分」
の両方に及ぶみたいだ。
瞑想は投資
僕も瞑想をしていて、ほんのちょっとした退屈さを感じる時もある。
というよりも、最高の心地良さや、変化を感じ取れない場合もある。
そんな時は、これが投資の時間だと理解したい。
すると、目の前で特別なことが起きていなくても、瞑想が楽しいのだ。
投資のメリット
投資の特徴は「今すぐに回収しなくても良い」ということだ。
すぐに利益が上がらなくても良くて、将来的に大きく回収すれば良い。
これが消費なら面白くない。
単にお金を使っているだけだから。
だけど瞑想は投資だ。
今、目の前でお金が増えていなくても、将来の複利を考えるとニヤニヤしてしまう。
なおかつ瞑想の場合、目の前で利益が上がることもはるかに多いから、本当にすごい話。
元手は少なく始められ、税金はかからず、多くの場合はすぐに報酬があり、その報酬も複利計算され、株主配当まで付いている。
しかも、投資に慣れれば慣れるほど、レバレッジが効いてリターンが増大していく。
早起きできない人のための「戦略的に朝型に変わる技術」
僕自身、睡眠は最も苦手分野だ。
今まで、とても睡眠の質が良いとは言えない生活だった。
分かっていながら、今まで、ほとんど手を出すことが出来なかった。
睡眠の改善をしようと人生で何十回も挑戦したけれど、そのたび挫折を繰り返してきた。
もうなかば諦めの状態だったのだと思う。
1年に1度の決意
1年に1回ぐらいは「朝型になろう」と決意する。
そして決意したその日と、その次の日ぐらいは、どうにか早起き出来る。
太陽と一緒に目覚める爽快さを噛みしめる。
体中にエネルギーが溢れている感覚になる。
「毎日こんなふうに目覚めたら、毎日、こんなエネルギー状態で過ごせるんだ」と、興奮する。
ちょっとした無敵感すらある。
だけど早起きした分だけ、夕方は辛い。
「やはり、早起きは自分に合ってないんじゃないだろうか」と思い始める。
2日目も気力を振り絞って朝早くに起きるが、1日目のようなエネルギーはない。
3日目はもうダメだ。とても朝起きる気力は残っていない。
毎回必ず「3日目の壁」に阻まれていたような気がする。
朝型に変わる技術
最近思った事は、朝型に変わるには、ちゃんとした技術が必要だということだ。
人間の仕組みを理解している必要がある。
ただでさえ生活リズムを変えるのは難易度が高いのに、これは自分の苦手分野でもある。
「決意」や「モチベーション」だけではどうにもならない。
むしろ、決意やモチベーションに頼らない戦略が必要だ。
たとえば、
- 朝早く起きた分、昼寝を多めに取ったり、夜は時間を決めて眠りにつくこと
- 朝昼は多くの光を浴びて、夜は暗い環境の中で過ごすこと
- 夕方から夜に向けて、だんだんと体や脳の活性度を下げていくこと
- 夜、眠る前に「明日起きる時間」を思い出して、目覚めのイメージを作ること
- 早起きしてやることを用意する (僕の場合は、人が少なく静かなスターバックスに行って、コーヒーを飲みながらくつろぐこと)
- 早起きしてなにか良いことがあったら、それをマインドフルネスの技術で、深く感じ取って、体に記憶すること (報酬の大きさを脳に刻んで、いつでも思い出せるようにしておく)
- 「早起きする理由」が分からなくなったら、ちょっと考えて思い出してみる (人間の脳は簡単に動機を忘れる)
- 「早起きする理由」がすぐ思い出せなくても「そもそも必要なのか?」と自分に問わず、淡々と続けること (「過去の自分が決めたこと」を信頼する。「ただ、習慣にしたい」からやる)
- 眠る90分前に熱い風呂に入ること
- 朝起きたら、顔を洗ったり、歯を磨いたり、冷たい水で手を洗ったりして、感覚刺激を与えていくこと
- 夜、寝室で電子機器を触らないこと(皆分かっているだろうが、これがなかなか難しい。僕も書き残したブログを書きたいし、本も読みたい。だけど自分が朝型に変わってしまえば、きっと朝にやる習慣が身につくはずだ)
- 決してモチベーションに頼らないこと、習慣化の技術をフルに利用すること (「小さな習慣」という偉大な本に教わった)
というようなこと。
改めて書き出してみると、朝早起きをするために、様々な戦略を投じていることが分かる。
おそらく、変える難易度が高い習慣であればあるほど、こうした「全面的な戦略」と「多種多様な攻め方」が必要なのだ。
成功と失敗を分けるもの
睡眠は改善する価値がある。
これからの人生で、僕らは何万回眠ったり、起きたりするだろう。
同時に、睡眠はとても繊細だ。
あらゆる戦略を、すごく慎重に、ナイーブに実行していく必要がある。
以前は、こういった技術をほとんど何も身につけていなかった。
ただやることと言えば「早起きを決意する」「モチベーションを上げようとする」だけだった。
このモチベーションという柱が折れてしまったら、もう失敗は決まったようなものだった。
そして、この柱は非常に折れやすいものだった。
瞑想と睡眠
瞑想の習慣が僕に味方してくれている。
まず、夜にはネガティブなことを考えないこと。
僕にとって、夜ネガティブな気持ちのまま眠ることは、かなり大きなボトルネックだった。
睡眠の質を下げるし、次の日の早起きが難しくなる。
だって、明日に希望がなければ、どうして朝早く起きようなんて思えるだろう。
(早起きは人生に希望のある人の習慣だ)
もうひとつは、眠ること自体がすごく上手くなったこと。
眠る時に、自分の感覚の中で眠気=睡眠圧のようなものを見つけて、それに身を委ねる感覚が分かった。
「眠気」は今まで「抵抗するもの」というイメージがあったけれど、逆に「体を委ねる」ことで、ずいぶん寝付きが良くなったように思う。
他にも
「早起きした報酬を、体中で感じ取って、報酬にする」
「自分の状態を観察して、必要な時に睡眠を取る」
など、細かなレベルでも瞑想が味方になってくれている。
睡眠でも、瞑想は僕にとってキーストーンホビット(鍵となる習慣)みたいだ。
参考
SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術
スタンフォード式 最高の睡眠
追記
この記事を書き終えたのは、日曜日の朝。
6時半のこと。
もう5日間連続で、この時間帯に目覚めることが出来ている。
僕の人生の今までのパターンを振り返ると、ここまで早起きが連続するのは、もはや奇跡と言っても過言じゃない。
確かに嬉しいことではある。
だけど僕は手放して喜んだりはしない。
もうモチベーションには頼らない。
どんなジンクスも信じない。
重要なのは、習慣作り。ただそれだけ。
どんな手順で起きて、どんな手順で眠るかということ。
いちど決めた戦略を毎日思い出して、1日1日、計略的に習慣形成をしていくことだ。