マインドフルネスは最高級料理のレシピ作り
人間の状態というのは、僕らが頭でおこなう想像よりも、実ははるかに複雑だ。
たとえば料理にも、無限の組み合わせやレシピ、味わいが存在するように。
人間の状態も、それぞれの要素が複雑に組み合わさって、千差万別の味を生み出している。
だから、たとえば幸福感にも、他のソースや食器、温度などとの組み合わせで、無限のニュアンスが存在すると思う。
幸福感を感じつつ、同時になんとなく、そわそわしている感じ。
(例えば高級料理を食べながら、お会計を気にしているような)
幸福感を感じつつ、なおかつ心に余裕があり、美しさを感じている状態。
(例えば、とても大事な人と、お祝いのディナーを楽しでいるような)
同じ幸福感でも、その「幸福さ」には、かなりの違いがあるみたいだ。
たとえば僕が思うのは、幸福感を感じており、なおかつ自分を客観視できている状態は、とても良い。
エゴや自我というものが限りなく薄くなっている時に、そいつを一番「美味しい」と感じる。
「人生には、残り時間がある」
「残り時間があることを、とても美しいと感じる」
「残りの人生の中で、こんな幸福を、どれぐらい経験することが出来るか、楽しみになる」
人生の料理が、このような「幸福な組み合わせ」に達するためには、地道に、料理のレシピを研究していくのが良い。
だけどレシピが完成に近づくにつれて、幸福は確実に自分の元に近づいてゆく。
いわばマインドフルネスのトレーニングは、幸福のレシピ作りだと言っても良いだろう。
幸福感があり、なおかつ、それに執着を抱いていない状態。
睡眠がよく取れており、歩くならば自然の近くを歩き、シンプルな生活を実践し、スマホにもわずらわされず、仕事では能力を発揮して、
様々な要素が絶妙に組み合わさって、最高の味の料理が楽しめる。
「料理なんてどれも同じだ」と思うなら、それはそれで良い。
だけど「最高の料理を味わいたい」と思うなら、レシピの研究は欠かせない。
そして、いざ良いレシピが出来上がって、素晴らしい料理を食べた時の感動は、何にも替えがたいのだ。
ジャンクフードを人生で何百回食べようと、最高のフルコースにはおよばない。
マインドフルネスの実践は、料理のレシピ作りのようなものだ。