ディフェンシブな瞑想 (アウェイではディフェンス重視)
複雑な状況では、シンプルな瞑想が役に立つ。
慣れないことをする時、慣れない場所に行く時。
心が雑然としていて、マインドフルネスが機能しにくいとき。
そんな時は欲張らずに、ディフェンシブな瞑想をしてみるのが良いだろう。
たとえば僕の場合、市役所に行って手続きをするのが、すごく苦手だ。
誰だってそうかもしれない。だけど特に苦手意識を感じている。
役所に行って数十分を過ごすだけで、どっと疲れてしまう。
そういう時は、日頃から鍛えたマインドフルネスも影を薄める。
そんな時は、防衛的で、ミニマルな瞑想が役に立つ。
番号札をもらって順番待ちをする間、椅子で待つ間に、そっと目を閉じて、呼吸の数を数えてみる。
ただ目を閉じるだけで、ずいぶん自分の気分が変わる。
目を開いたり閉じたりすると、まるで世界が変わるように感じる。
今はディフェンスに徹する。
他に難しいことは何もしない。
「この瞬間をマインドフルに過ごしてみよう」なんて思わない。
そいつはマキシマルな瞑想だ。
オフェンスは、ゲームに余裕がある時にやれば良い。
慣れない場所にいる時、落ち着かない場所にいる時は、ただ目を閉じて、呼吸の数をカウントするだけだ。
スポーツの試合と同じで、状況が劣勢の時は、防衛的な試合運びをして、また次のチャンスをうかがう。
ディフェンスとオフェンスを上手に切り替えると表現しても良い。
目を閉じるのは、膨大な視覚情報を制限するため。
呼吸の数を数えるのは、シンプルな行為で心を落ち着かせるためだ。
こうしてみると、不思議と、普段ならばどうしようもなく落ち着かないはずの空間で、小さなオアシスを見つけられた感覚だった。