瞑想で回復するコツ (「レスティング」の技術)
瞑想には、
- アンカリング
- レスティング
- ビーイング
という分類の仕方がある。
ざっくり言えば、集中度のレベルに応じて、段階がある。
- アンカリング=集中する
- レスティング=休憩する
- ビーイング=頑張らずに、ただ存在する
といった感じだ。
(「ジョイ・オン・デマンド」を参照)
僕は夜眠るときや、昼寝をする時は、意識的にこの二番目の「レスティング」の状態にひたることが多い。
寝ている姿勢は座っている姿勢とは違って、集中はしづらいけれど、逆に回復には適しているようだ。
具体的な方法
じゃあどうやって「レスティング」=「休息状態」に入れば良いんだろう。
鍵は「身体感覚」だ。
瞑想をしながら、自分の身体感覚に注意を向ける。
そして、その中で一番心地良い場所を探す。
「癒やし」が起こっている場所を見つけてみる。
癒やしは身体の中で必ず起こっているので、それを見つけるだけで良い。たとえ普段は気付きにくいものだとしても。
たとえば僕の場合は、手と手を繋いだ時の微細な感覚や、床に寝転んでいる背中の感覚や重力、皮膚が感じる暖かさや冷たさに、癒やしを感じることが多い。
お好みなら、何か美しい風景や、癒される光景をイメージしてみても良い。
「暖かいハワイの砂浜にいる」
「おごそかで静かな森の中にいる」
「赤ん坊の頃のように、頭をなでられている」
なんて想像してみても良いだろう。
重要なのは、身体感覚を忘れないということだ。
もし意識が身体から遊離してしまったら、何度も身体感覚に戻ってくるということだ。
イメージはあくまでも特定の身体感覚を呼び起こすための道具。
単にイメージ単体では、有効に機能しないようだ。
思考の世界に引きずられずに、いかにして身体感覚を呼び起こすかがキーポイントだ。
例えるなら
感覚としては、体の一部分ではなくて、どちらかというと体全体を意識しているような状態。
暖かさや、涼しさに包まれているような感覚。(温度は回復の大きな鍵)
獲物を追い求めるモードとは、真逆にある脳の状態。
例えるなら、岩盤浴でゆっくりしているような感覚。
例えるなら、心地良いスポーツを終えて眠る時の感覚。
例えるなら、脳の裏側が癒やされていくような感覚。
僕らは、よく知っているその感覚を、ただ再現して、そしてひたってみれば良い。
もし難しいようなら、自分が一番リラックスできる場所に行ってみて、「癒やされている感覚」を感じ取れるかどうか、試してみると良いだろう。
はじめて自転車に乗る時のように、ちょっとしたコツさえ掴めれば、きっと「休息状態」にアクセスできるはずだ。
自然の回復能力
ところで、人間にはそもそも回復能力が備わっている。
もしそうでなければ、今頃は消費するばかりで、既に死にいたっているだろう。
瞑想のトレーニングを積むと、僕らは自然の回復能力に意識を向けて、それを増幅してやることが出来る。
(単に呼吸だけではなく、回復能力そのものに意識を向けて、増幅できるなんて、瞑想はすごい)
そもそも「意識の向け方」次第で回復能力が変わってくるというのが驚きだが、どうやら、人間の体はそのように作られているみたいだ。
(逆に言うと、普段は僕らの意識の向け方が不適切な分、本来の回復能力を失っているという言い方も出来る)