今後、モチベーションは生涯信用しない。 (「小さな習慣」より)
「小さな習慣」を読んで、今後生涯、モチベーションというものを信用しないことにした。
モチベーションよりも強力なのは「習慣の力」。
習慣を組み立てる能力だ。
というよりも、自分の行動を変えるのは「習慣の力」。
ただそれだけと言っても過言じゃない。
(だけど、モチベーション信仰に比べて、習慣を作る能力はどれだけ軽視されていることだろうか)
たとえば個人的な話だけど 、僕が英語の勉強をするときの話。
勉強をしながらもよく「英語が一体何の役に立つのだろう?」なんていうネガティブな声が聞こえてくる。
それはもう、1分間に36回ぐらいは浮かんでくる。
そうすると僕は、この声に対して反論しようとする。
モチベーションを上げようと、必ず対抗する。
「英語は仕事の役に立つはずだ」
「英語を覚えたら、世界中の本が読めるようになる」
「勉強すること自体が楽しいはずだ」
「きっと僕は、英語を覚えたいはずだ」
こうやって。
無数の反論を並べて、自分のモチベーションを上げようとする。
英語の勉強との付き合い方を、無限に探す。
「どんなスタンスで英語と向き合うのが良いのか?」
それを何回も何百回も考える。
だけど結局は答えが出ない。
そして英語の勉強が続かないのは「モチベーションが持てないからだ」という結論に至る。
きっと、もっと良いモチベーションの持ち方さえ分かれば、英語を勉強する気が起きるのに。
だけど。
それは。
すべて。
無駄だ。
今思うと、僕がとっていた方策の全ては
「どのようなモチベーションを持てば良いのか」という小さな輪の中に収まっていた。
あらゆる手をつくしているはずが、結局全ては「モチベーションを上げる」手法で解決をはかろうとしていたのだ。
僕らというものは、信念を持っている。
- 「自分の行動は『モチベーション』によって決まる」
- 「モチベーションを変えれば、自分の行動も変わる」
こういった「モチベーション信仰」こそが、逆に一番、自分を目的から遠ざけているんじゃないだろうか。
これは単に、僕個人の意見にとどまらない。
おそらく人間の脳の仕組みから言って、そうなのだろう。
(「小さな習慣」を読んでほしい)
モチベーション信仰とは、
一見「最も有益」に思える「最も有害」な信念。
一見「ベストな解決策」に見える「ワーストな対策」。
真逆だ。
あまりにも大きな落とし穴。
どおりで、これでは物事がうまくいかないはずだ。
挫折を繰り返すのもおかしくない。
たとえば、今まさに僕が、このブログの記事を書くのだって
「今は記事を書きたい気分か?」「そうでないか?」
ということを、無意識に何十回も自分に問いかけていることに気付いた。
「記事を書きたい気分じゃないから」
「まずは、記事を書きたい気分にならなきゃいけない」
「PCを開いた時、書きたい気分のままでいられるだろうか?」
「書きたい気分の間に、素早くPCを開かないと」
なんてことを、頭で延々と繰り返していた。
これも全て「自分のモチベーション中心」の行動基準だ。
だけど、問題は、そこじゃない。
大事なのは、そこじゃない。
まずは「自分の気分にかかわらず」に、ブログの画面を開いて、タイトルだけでも入力する。
そして文章を1ワードでも良いから書く。
その「習慣」。
そして「具体的なアクション」こそが、自分の行動を変える。
習慣の力は偉大だ。
「行動を小さな単位に分割する癖」は、偉大な能力だ。
だから、たとえどんなに自分のモチベーションが上下しようとも、習慣の力を使えば、自分の行動に影響を与えられる。
自分のモチベーションの上下に、一喜一憂しないで済むようになる。
自分のモチベーションがどれだけ高まろうと、低まろうと、単に、単純に、淡々と、自分が決めた「習慣」というものを、こなしていくだけで良い。
ひとつの行動を細かい単位に分割して、ただ単に、そのステップを踏んでいくだけで良い。
こんなに心強い話はない。
荷物の重さは降ろして初めて分かる。
僕は今まで「モチベーション信仰」という、大きな荷物を背負っていたのだと気付いた。
追記
本を読むたび、Amazonにレビューを書きたいと思う。
だけど頭で色々と考えてしまって、結局は書かずじまいになることが多い。
そこで、この「小さな習慣」のメソッドに基づいて、Amazonレビューを書いてみることにした。
- Amazonのトップページを開く
- 検索フィールドに「小さな習慣」と入力する
- 詳細ページに移動する
- レビューを書くボタンを探す
- レビューを書くボタンを押す
- レビューのタイトルを入力する
- レビューの本文を1単語だけ入力する
- 気がつくと1000文字ぐらいのレビューになっている
こうやって、行動を「無限の小さなステップ」に切り分けて、脳を説得していく。
ここでもポイントは「アクションをばかばかしいほど小さなステップに分割すること」だと気付いた。
僕たちは自分たちの脳に対する交渉人だ。
そして、この交渉術はあまりにも強力。
「小さな習慣」は本当に偉大な本だ。