心のオセロ
つい1秒前までは、幸福だったのに。
その1秒後の自分は、もう幸福じゃない。
そんな時がある。
ついさっきまでの幸福さえも、嘘だったみたいだ。 まるでオセロのように、白が黒に裏返ってしまう。
ゲームに勝っていたというのは思い込みで、 今の盤面は黒一色だ。
なぜ、幸福と不幸は、こんなに簡単に裏返ってしまうのか。
だけどそれは錯覚だ。
本当は
- 今には今の幸福がある。
- 今には今の不幸がある。
ただ、それだけだ。
1秒前の幸福もアテにはならないし、1秒前の不幸も嘆かなくて良い。
常に今の瞬間だけが存在する。
一番の問題は
1秒前はもう過去なのに、頭がそれに引きずられていることだ。
- 1秒前が幸福だったんだから、今が幸福でも良いはずだ。
- 1秒前が幸福だったんだから、今も幸福でないとおかしい。
だけどそんなことを考えても、幸福感は戻ってこない。
心のバランスは、常に「今の瞬間」に保たなければいけない。
大事なのは心がバランスを崩した時に、それに気付いて、バランスを取り戻すという、具体的なアクションだ。
自転車の練習
たとえば、自転車の練習をしている人がいるとする。
その人が転んだ。
そしてこんなことを考えた。
- 1秒前までは乗れていたのに、今は転んでいる。
- 1秒前までは乗れていたのだから、今も乗れていないとおかしい。
- 1秒前まではバランスを取れていたのだから、今もバランスが取れていて良いはずだ。
だが、頭でそんなことを考えても、バランスが戻ることはない。
またバランスを取り戻すには、当たり前だが「自転車に乗って、進む」という、具体的なアクションが必要だ。
考えることと、自転車に乗ることは、根本的に違う。
心の世で起きることは
この自転車の例のように、分かりやすくはない。
だけど確実に、同じ問題が起こっている。
そして僕らは、
- 頭で考えること
- 心のバランスを摂ること
をよく混同している。
レッスン
フォーマルな瞑想を続け、日常の瞑想を続けてみよう。
「これがバランスが取れている状態だ」という瞬間に気付くかもしれない。
自分が穏やかさや、幸福を感じた時は、それがバランシング出来ている状態だ。
あとはその感覚を覚えていて、それが「真ん中」だとイメージしてみよう。
心に「棒」が存在するような感覚だ。
- 右に倒れていれば、左に戻す。
- 左に倒れていれば、右に戻す。
頭で考えてしまうと、うまくいかないかもしれない。 だけど感覚の世界に敏感になれば、だんだんとバランシングがうまくなってゆくだろう。
まとめ
幸福が過ぎ去ってしまった時。
いくら考えても、頭で後悔しても、バランスは取り戻せない。
僕らに必要なのは、考えることじゃない。
心のバランスを取り戻すアクションを起こすことだ。